風力発電事業に係る環境影響評価方法書に対する愛南町意見を公開します
2026年06月24日更新
株式会社GFにより検討されている愛南町および宇和島市における風力発電の事業化について、環境影響評価法第7条に基づき、環境影響評価方法書の公告および縦覧が行われました(縦覧期間:令和7年11月7日から令和7年12月23日まで)。
このことに合わせて、愛南町では、同法第10条第2項の規定により、愛媛県に対して環境保全の見地から意見を提出しましたので、お知らせします。
愛媛県に提出した「(仮称)上槇山出ウインドファーム事業」に係る環境影響評価方法書に対する愛南町の意見は以下のとおりです。
(仮称)上槇山出ウインドファーム事業に係る環境影響評価方法書に対する愛南町の意見
総括事項
事業を実施するに当たり、関係するさまざまな主体の理解と協力のもと、関係法令を遵守し、周辺環境に与える影響を可能な限り低減するよう配慮すること。また、地域住民からの要望・苦情等に対して適切に対応すること。
事業終了後においても環境に与える影響が大きいことから、設備耐用年数経過後の対応や計画についても示すこと。
個別的事項
環境分野
(1) 景観について
可視領域図において「可視」と判定された地区のうち、事業実施区域に最も近接する住宅地点からの眺望について、新たに予測地点として追加すること。その際、現状の景観と事業実施後の変化を具体的に把握できるよう、フォトモンタージュを用いた視覚的な予測・評価を行うこと。
(2) 水環境について
・事業実施区域の南側に位置する「山出観音水(山出地区)」は、地域住民等の利用がある湧水点である。工事及び供用による地下水流向の変化や水質への影響を適切に評価するため、当該地点を水質の調査地点および監視地点に追加すること。
・水環境の調査地域については「対象事業実施区域及び周囲の河川」との記載があり、「環境影響を受けるおそれのある地域」を選定理由として、愛南町側の事業区域では唯一、山出川が「水質6」地点として調査対象になっている。一方、対象事業実施区域の周囲に流れている鹿鳴川や篠川といった河川では水環境調査が実施されない計画となっていることから、不安視される地元住民が一定数いると考えられるため、それら河川においては水質や水量等、水環境への影響がない旨の根拠を明示してはどうか。
(3) 動物・昆虫・植物について
・サシバをはじめとする猛禽類については、本州から四国を経て高茂岬から九州へと抜ける重要な渡りルートが確認されている。また、高茂岬や由良半島周辺は、他にも多種多様な鳥類の渡り経路となっている記録がある。 これらを踏まえ、対象となる各鳥類の主要な渡り時期に合わせ、適切な頻度で現地調査を実施すること。
・海を渡り長距離を移動する珍しい蝶として知られるアサギマダラは愛南町にも飛来しており、対象事業実施区域にほど近い林道小岩道線沿線において、ヨシノアザミやヒゴオミナエシに訪花している様子が確認されている。例年は秋ごろとされるアサギマダラの愛南町への飛来時期については、地球温暖化の影響を受けてか11月にずれ込むことがあるため、調査実施時期を適期に設定するとともに本種への影響を最小限に抑えることを考慮した調査内容とすること。
・2022年に新種として発表されたツツジ科の菌栄養従属植物であるキリシマギンリョウソウが篠山にも生育していることが確認されている。本種の分布は明らかになっていないが、本町で生育が確認された篠山と対象事業実施区域が近接していることから当該事業区域で本種が生育している可能性は低くないため、本種の保護を視野に入れた調査をお願いしたい。なお、本種の開花時期は5月上旬から中旬とされており、調査実施時期の参考とすること。
建設分野
(1)造成工事に伴い雨水等の排水計画が行われる際に、町道篠山小岩道線の道路排水側溝への流入がある場合には、排水断面量を検討し道路管理者と協議を行うこと。
(2)町道小岩道平碆線及び篠山小岩道線を工事用道路として使用する場合には十分な安全管理の徹底を、併せて工事資材等の搬入・大型部品の輸送に使用する場合には、通行が予想される集落への事前説明を心がけ、地域住民の負担とならないよう配慮すること。
水産分野
(1)対象事業実施区域の周囲には、町民が愛媛県から許可を受けてアユ・カニ・ウナギ等の採捕を行っている河川がある。また、河川の注ぐ海域には、本町の基幹産業である貝類・魚類養殖施設が設置されており、水質に変化があった場合、成長阻害や斃死率増加等の影響を受ける。よって、工事の土地改変等による濁水の発生が、悪影響を及ぼさないような対策を講ずること。また、完成後についても、同様に配慮をすること。
(2)下流域への汚濁水等の影響が想定された場合、地元漁協等への事前説明についても検討すること。
農林分野
(1)森林は、水源のかん養や山地災害の防止、環境の保全など多くの広域的な機能を有し、降った雨の4割から5割を保持する緑のダムである。
近年の異常気象により、過去にも115ミリメートル/hrの猛烈な雨が降った例があるように、今後も100ミリメートル/hrを超える降雨も予想される。そのため、当該事業の実施に当たり、作業道の開設や拡張工事に伴う立木伐採や掘削等で保水力が損なわれ、大雨などによる山地破壊や土砂の谷への流入で水源の汚濁・汚染がないよう、工事中はもちろん事業実施後においても防止の措置を十分に講ずること。
(2)風車建設に伴う日照等の減少による人工林の生育への影響について調査すること。
(3)事業実施に伴い有害鳥獣が移動し農林業に被害が拡大しないか、工事中を含め調査すること。
文化財分野
(1)対象事業実施区域は、国・県・町指定の文化財や周知の埋蔵文化財包蔵地に該当しないが、新たに遺跡等の文化財と思われるものが発見された場合は、愛南町教育委員会と協議の上適切に対応すること。
(注)愛南町からの意見を踏まえた愛媛県知事意見等は愛媛県ホームページをご覧ください。
愛南町城辺甲2420番地
電話番号:0895-72-7316
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